原発には非常に大きな重要問題があるのをご存知ですか?
筆者が感じている2つの重要問題を述べます。
問題1:実現不可能な「原発ゴミの処分方法」
国(現政権および行政機関)が現在、想定している「使用済み核燃料から生じる
高レベル放射性廃棄物の処分方法」は、『地下300mより深い地中に
10万年程度閉じ込める』方法ですが、実現できる見通しが立っていません。
原発ゴミの最終処分場の公募を2002年に開始しましたが、
現時点(2015年4月)でまったく応募がありません。(注)
注:最終処分場の調査の公募に高知県東洋町が応じましたが、
住民の反対により撤回された経緯があります。
住民がいる自治体では、東日本大震災による『放射能汚染ゴミ』でさえ
最終受け入れ地が決まらないのに、『高レベル放射性廃棄物』の
受け入れについては“地域住民による絶対反対の大合唱になる”ことは
目に見えています。当然、海洋投棄も生活の場としている漁業界で
”絶対反対の大合唱”でしょうし、国際社会で袋叩きになる可能性が大です。
宇宙への投棄案も同様でしょう。
原発先進国のイギリスでは地中深く保管する方法を採用済みですが、
近年、問題が出てきています。放射性廃棄物密閉している容器の老朽化が
起こり、最密閉の作業が発生しています。
問題2:原発の廃炉に対する無策・無能ぶり!
40年を越す古い原発が何機も出てきていますが、国(現政権および行政機関)の
無策・無能ぶりはあきれるばかりです。
政府は
・廃炉にすると打ち切りになる「原発交付金」に代わる財政支援策を
検討する
・廃炉を決めても一度に巨額の損失を計上しなくて済む会計処理ルールを
見直す
ことで動いています。
40年間の利益については触れずに廃炉の損失で優遇処理では
「泥棒に追い銭」でしょう!
また、巨額の大赤字財政(皆さん、本当に巨額ですよ! 1000兆円を超える
国の累積赤字で、赤ちゃんから老人まで国民一人あたり1000万円の
累積赤字ですから)で大増税と年金減額の時代なのに、原発廃炉による
更なる赤字をたれ流す体質はまったく変わっていません。むしろさらに
ひどい体質になっているようです。
これらの問題は今後も続く大難題でしょう。
原発稼動40年も経過する今頃になってこの様です。
完全に『沖縄の米軍基地への対応』と同様(「相手次第で出たとこ勝負」)の
国家経営ですね。