安倍晋三首相が政府の目標として掲げた『1億総活躍社会』は絵に描いた餅で、
お笑いのネタにもならない代物です。
「少子高齢化」に歯止めをかけ、50年後に人口1億人を維持するため
『1億総活躍社会』を政権の新たな大方針として「新3本の矢」と、
それに対応した3つの目標も定めました。
それでは「新3本の矢」がいかに荒唐無稽かを見てみましょう。
第1の矢「強い経済」
・目標:2020年頃、名目国内総生産(GDP)を600兆円とする。
・施策:✔ITの生産性を高めるための投資と規制改革
✔非正規社員と正規社員の賃金格差の解消(「同一労働同一賃金」の実現)
⇒実現性はほぼゼロです。
現在のGDP500兆円を600兆円にするためには年3%の経済成長が
必要ですが、この20年間、一度も達成したことがありません。
しかも直近はマイナス成長です。
第2の矢「子育て支援」
・目標:2020年半ば、希望出生率を1.8に高める。
・施策:✔保育施設の整備
✔幼児教育の無償化
✔児童扶養手当の拡充
⇒実現性はほぼゼロです。
出生率1.8は約30年前の水準で実現困難です。「保育施設の整備」も
器ばかり(平成17年度末に保育所40万人分を作る計画を50万人分に変更)で、
中身作りがほとんどできません。保育士が9万人も不足する予測が出ています。
「幼児教育の無償化」「児童扶養手当の拡充」も赤字国債を発行し続ける中で
財源確保の見通しが全くありません。
第3の矢「社会保障」
・目標:2020年初頭、介護離職者をゼロにする。
・施策:✔介護施設の整備
✔介護職員の待遇改善
⇒実現性はほぼゼロです。
2020年初頭までに新たに50万人分の介護施設を整備する計画ですが、
こちらも器ばかりで、中身作りがほとんどできません。
介護職員が25万人も不足する予測が出ています。
介護士不足が増すばかりで過酷な労働条件が改善されないばかりか、
現在の低賃金の改善見通し(施策)もありません。現在の介護離職者10万人/年は
一層増えることが予想されます。
現在、保育士と介護士は低賃金の2大職業となっており、離職者も多く職員不足が
恒常的に続いています。政府からは改善効果が期待されるような施策も示されていません。
そのような状況下で達成できもしないことをきれいごとで飾り立てて掲げる安倍首相の
能天気さ、阿呆さにはあきれ果てます。
今年5月のG7サミットで見せた安倍首相の阿呆さは世界の物笑いになっていますが、
さもありなんですね!