一時期、日本国内の全原子力発電は停止状態でしたが、最近、再稼動が始まり
日本各地で再稼動の動きが活発化してきています。当然、原発再稼動で、
原発から出る放射性廃棄物は増加することになりますが、その放射性廃棄物の
置き場が満杯に近づきつつあります。
当然その中には高レベル放射性廃棄物も含まれるわけです。
高レベル放射性廃棄物の最終処分地(地下)探しが10年以上続けられていますが、
全く見通しが立っていません。2013年からは国主導で最終処分地探しに
取り組むことになりました。それでも進展がありません。
今後も困難を極めることになるでしょう。
可能性のあるすべての「高レベル放射性廃棄物の最終処分場」について考えてみましょう。
宇宙:ロケットに乗せて宇宙空間に捨てることが考えられますが、打ち上げ失敗時には
地上に放射能を降り注ぐ結果になりますので、採用できません。
コスト的にもみても無理がありますし、将来的にみて国際条約で禁止されることが
予想されます。
海底:すでに国際条約で禁止されており、採用できません。
地上:日本国内の地上が考えられますが、低レベル放射性廃棄物さえ受け入れない
すべての自治体が、高レベル放射性廃棄物を受け入れるわけがありません。
地下:一日に湧き出るぼう大な量の地下水の処理について技術的・コスト的に
解決の見通しがたっていません。さらに問題なのは日本は地震・火山・
地殻変動などの影響が大きく、安定的な地下が存在しないことです。
高レベル放射能が減衰(人体に影響ないレベルまで低下)するには少なくとも
数万年を要するため、地震・火山・地殻変動の影響は無視できません。
以上、日本では高レベル放射性廃棄物を捨てる場所などどこにもないのです。
今後、放射性廃棄物置き場をどこにするかすら決まっておらず(決めきれず)、ましてや
高レベル放射性廃棄物の処分場所がない中での原発再稼動は、未来(我々の子孫)への
大きな禍根となることは間違いありません。