東日本大震災の津波で児童74人、教職員10人が死亡・行方不明になった
宮城県石巻市の大川小学校を覚えておられますか?
亡くなった児童のうち23人の遺族がおこした「学校側の責任を問う集団訴訟」で、
仙台地裁は昨年10月26日に学校側の過失責任を認定し、市と県に遺族への賠償を
命じました。
これに対して石巻市は
「今回の判決で(死亡した)先生方に責任を負わせることはつらい」
「判決は学校防災に大きな影響を与える内容になっている。今後のことを考えて
控訴すべきだと考えた」
などおかしな論理で控訴しています。
なぜおかしな論理かというと、
1.学校内において東日本大震災の津波で多数の児童の死亡・行方不明を出したのは
大川小学校唯1校しかありません。他の小学校で起きなかったことを考えると、
大川小学校の津波への対応に問題があったことは明らかです。
2.大川小学校では地震直後、児童が校庭に集められ、長時間とどめられて
避難する時間を失した事実が明らかとなっています。
3.校庭に集められていた児童が津波を恐れ、「早く避難しましょう!」と
先生に何度も言ったが、聞き入れてもらえなかったと生き残った児童が
証言しています。
などを考えると、先生たちに被害の責任があったこと明らかで、石巻市の控訴理由が
全くの的外れで何ら根拠はありません。
石巻市は「先生方は児童が学校にいる間は、児童の安全と命を守る義務がある」ことを
肝に銘じ、控訴などとんでもないないことだと自覚すべきでしょう。
宮城県も石巻市に同調する様子で、宮城県も石巻市も何を考えていることやら
呆れかえってしまいます。