エンゲル係数。最近ほとんど聞くことがなかった言葉ですが、復活しつつあるようです。
第2次世界大戦後、日本の多くの家庭が苦しい生活を余儀なくされた時代には頻繁に
聞かれた言葉です。
エンゲル係数=食費÷家計支出
家計支出に占める食費の割り合いで、大きいほど貧しい生活であることを示しています。
歴史をさかのぼってみると、
1946年 66.4% 日本での初めての記録
1950年 50%台
1953年 40%台
1962年 30%台
1972年 20%台
と推移してきて
2005年 22.9%
を記録しています。(総務省の家計調査による)
ところが
2013年 23.6%
と上昇に転じ以来4年連続の上昇が続き、
2016年 25.8%
となり1987年以来29年ぶりの高い数値となっています。
4年連続の上昇幅について総務省の分析によると、半分は“食費の値上がり”、
残りは“消費支出の減少”と“調理済食品や外食への支出増加”だそうです。
4年連続の上昇の要因は、
✓現役若手世代の収入手取りが増えず節約志向が強まっている。
✓食費が支出の中心を占める高齢者世帯が増えている。
2016年の無職高齢者夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)の
エンゲル係数は27.3%で、平均より1.7%も高い。
✓女性の社会進出(*1)に伴って共働き世帯が増え、調理済食品を買ったり
外食したりする世帯が増えている。
*1)総務省の労働力調査によると2016年の女性の就業率は
生産年齢人口(15歳~64歳)で過去最高の66%である。
などがあげられます。
「収入の増加により消費を刺激し、経済の活性化を目指す」安倍政権の経済運営が
行き詰っており、今後もエンゲル係数は上昇し続けるのではないでしょうか!