原発の廃炉、横たわる難題!

「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」が2012年6月に

改正され2013年7月に施行されたことにより、「原発の運転期間を40年に

制限する」ルールが導入されました。その関係で現在、廃炉が予定されているのは

全国で9基(廃炉中のものも含む)となっています。

  茨城(1基:廃炉中)、静岡(2基:廃炉中)、福井(3基)、

  島根(1基)、愛媛(1基)、佐賀(1基)

 

日本における原発廃炉には次のような非常に大きな難題があります。

 1.日本には原発廃炉を完了させた経験がなく、廃炉工程の技術的な見通しが

   得られていません。(やってみないとわからない状態)

   茨城県の東海原発は2001年から廃炉作業が始まり、2017年に

   完了する計画でしたが、2025年完了に先送りされましたし、

   汚染度が最も高い原子炉本体の解体は2017年現在、未着手の状態です。

 2.放射性物質に汚染された廃棄物の処分先が決まっていません。

   放射能レベルによりL1からL3まで3区分され、区分ごとに処分方法が

   異なります。

    L1:原子炉内にある制御棒や構造物で、最も汚染度が高いもの。

       地下70mより深い地中に埋設され、約10万年後まで維持される。

        →10万年後までの維持って可能なの?

    L2:原子炉圧力容器などで、L1に次ぐ汚染度のもの。

       地下10数mの地中に埋設される。

    L3:原子炉建屋のコンクリートや金属などで、3区分内では

       最も汚染度が低いもの。

       地下数mの地中に埋設される。

   いずれも地中に埋設する必要がありますが、東海原発以外では埋設地が

   決まっていません。地震や火山噴火が多発する日本国内では地殻変動が

   ありますから、いずれの自治体も埋設を認めないでしょう。

   ちなみに廃炉予定9基の原発のL1~L3レベル放射性廃棄物は

   計8万トンと推定されています。

    注)東海原発はL3レベルの汚染物質1万6千トンのみは原発敷地内に

      埋設することを決定していますが、2017年6月現在、

      茨城県の同意は得られていませんし、L1およびL2レベルの

      汚染廃棄物の行き先は決まっていません。

 3.被曝線量が年間0.01ミリシーベルト以下の廃棄物は

   クリアランス制度により一般廃棄物と同様に再利用が認められていますが、

   市場へ流通したケースはありません。はたして市場が一般廃棄物として

   受け入れてくれるかどうか全くわかりません。ちなみにこのレベルの

   放射性廃棄物は原発9基分で20万トンと推定されています。

参考までに廃炉の主な工程を示しておきます。

   使用済み核燃料の搬出

      ↓

   汚染調査&汚染除去(5年~10年間程度)

      ↓

   汚染の少ない設備の解体&撤去(8年~15年間程度)

      ↓

   原子炉本体の解体&撤去(6年~9年間程度)

      ↓

   建屋の解体&撤去(4年~8年間程度)

最短でも約20年、最長で約30年もかかる長丁場となります。

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