9月4日、台風21号による高潮と暴風雨で関西空港が「水没」し、
また連絡橋へのタンカー衝突事故で「孤島化」し多くの人々が空港に
閉じ込められる騒ぎとなりました。
関西空港の運営会社・関西エアポートは「想定外!」と言っていますが、
筆者は関西空港の構想(埋め立て人工島に空港を造成する構想)そのものに問題があり、
“明らかな人為ミス”と判断しています。
大阪湾の一部を埋め立てて人工島を造り、その中に空港を造ったわけですから
当然、地盤沈下が発生します。
・1期島は1994年の完成から2017年までに約3mの沈下が発生
・2期島は2007年の完成から2017年までに約4mの沈下が発生
水没を避けるためには、周囲を防潮壁で囲う必要もあり、地盤沈下対策として
防潮壁のかさ上げも必要になります。
防潮壁は航空機の離着への支障になりかねないため、かさ上げには限界があります。
台風による高潮はその限界がある防潮壁を超えたわけです。
対岸から人工島の空港へのアクセス手段としては1本の連絡橋しかありません。
台風による暴風で制御不能となったタンカーが高潮の影響もあり連絡橋に衝突して
連絡橋を損傷する事故が発生しました。この事故により連絡橋を利用していた交通が
遮断されて空港は孤島化することになってしまったわけです。
筆者の見解ですが、人工島への交通手段として「1本の連絡橋」のみしか
構築しなかったことは明らかに人為ミスでしょう。
災害や事故でその連絡橋が遮断されると人工島への交通手段がなくなってしまいます。
非常に重要なものには二重三重の施策(手段)を用意するのが当たり前です。