培養肉(*1)の実用化を目指し、多くの企業や大学が研究開発を行っており、
実際の肉の形状に近いものが出てきています。
*1)培養肉:動物の細胞を取り出し培養液に浸して増殖させ、
それらを集めて成形することにより肉の塊としたもの
写真1)オランダのマーストリヒト大学とモサミートの共同研究開発による
写真2)インテグリカルチャーと日本ハムの共同研究開発による培養フォアグラ
写真3)イスラエルのテクニオン・イスラエル工科大学とアレフ・ファームズの
共同研究開発による培養ステーキ(以下の写真)
米国のコンサルティング会社「A・T・カーニー」が将来の食肉市場の見通しを
公表しています。
食肉市場規模 培養肉の割合 代替肉の割合 従来肉の割合
2025年 1.2兆ドル 0% 10% 90%
2030年 1.4兆ドル 10% 18% 72%
2035年 1.6兆ドル 22% 23% 55%
2040年 1.8兆ドル 35% 25% 40%
培養肉にはいくつものメリットが期待されています。
✔地球規模の食糧不足問題解決の一手
注)世界の人口は2050年までに100憶人になると推計されています。
✔家畜育成に必要な飼料や水の節減
✔温室効果ガスの削減
注)畜産業で地球規模の温室効果ガスの15%~20%を輩出していると
いわれています。
✔家畜飼育に比べ安全管理がしやすい
培養肉を普及させるにはいくつもの課題が残っています。
✔安く大量に培養する技術の確立
注)2013年当時は培養ハンバーグは1個が約3000万円でしたが、
2019年現在、培養ハンバーグ1個が約1400円までコストダウンの
めどがついたそうです。でもまだ高すぎます。
✔消費者による受け入れの理解
注)未知の食品に対する消費者の不安は根強いです。
✔畜産農家との共存のすみ分け
注)2040年は培養肉35%、従来肉40%の市場規模の予測がでており、
畜産農家への影響が大きい。