新型コロナウイルス感染症は、感染症法上の位置付けが5月8日に2類から5類に
移行しました(*1)。その結果、医療体制が全面的に変わってきていますので、
筆者が理解している範囲で整理してみます。
現状 5類移行後
・感染者数の公表 全数把握で毎日 定点把握で週1回
・医療費 公費負担 1~3割自己負担(*2)
・入院勧告(*3) できる できない
・医療機関(*4) 発熱外来など一部 制限なし
・外出の自粛要請 できる できない
・ワクチン 無料 2023年は無料継続
・マスク 屋内では原則着用 個人の判断
5類移行後の最大の問題は、新型コロナウイルス感染者入院の医療機関数拡大の
見通しが政府と専門家で大きく食い違っており、専門家および医療従事者からは
”机上の空論”との指摘が出ていることです。
コロナ患者の入院可能な医療機関数拡大が難しいのは次のような理由からです。
・補助金(病床確保料)の削減や、スタッフの退職などの人手不足で
コロナ対応の病床数を削減している。特に大手病院の削減が目につきます。
・コロナ患者のノウハウがない医療機関が新規にコロナ病床の受入れの求めに
応じることは少ない。
*1)季節性インフルエンザと同じ位置付け
*2)2023年9月までは負担軽減策として治療薬は引き続き無料
*3)入院調整機能:
現状 5類移行後
保健所が担う 医療機関同士の調整
*4)医療機関数:
現状 5類移行後
入院 約3000カ所 全ての病院約8200カ所
外来診療 4.2万カ所 段階的に6.4万カ所